「賢明なる投資家」からの教訓

投資分野の古典的名著「賢明なる投資家」(ベンジャミン・グレアム著、パンローリング発行)から、投資をする上で重要だと思う言葉を一部抜粋して紹介したいと思います。

以下、「賢明なる投資家」からの引用・・・・・・・・・
・投資家と投機家の相違は、その人が相場変動に対して、どのような態度で臨むかという点である。投機家の関心事は、株価変動を予測して利益を得ることであり、投資家の関心事は、適切な証券を適切な価格で取得し保有することである。

・安全で堅実な範囲を超えて冒険に挑んだ人々は、精神的に大きな困難を背負うことになる

・「過去を忘れた者は同じことを繰り返す」

・1969年から70年にかけてダウ平均が甚だしく下落したことによって、過去20年間に膨らんでいった幻想は破られたようである。その幻想とは、普通株の主要銘柄はいついくらで購入したとしても最大の利益が保証されており、途中で損失が出ても市場はまた上向いて新しい高値圏に入るのですぐに損は取り戻せる、というものである。そんなうまい話があるはずがない。保有株式の価値が著しく、また恐らく長期にわたって下がることがある(そして上がることがある)ということを、投機家と株式投資家の双方が再び認識したという点において、ようやく株式市場は「正常化」したのである。

・実にひどい損失を出したケースというのは、購入者が「いくらですか?」と尋ねることなく買った株式によるものなのである。

・いつでも、投資家は自分の保有株には投機的な要素があるということを認識していなければならない。この要素を最小限に抑えると共に、いつやってくるかわからない来るべき逆境に対して、財政的そして心理的に備えるのが投資家の仕事である。

・将来の有価証券の価格はだれも予想できない
・絶対的および相対的な株価変動について信頼できる予言をすることなどほとんど不可能

・それら(割安株)は設備資産や他の資産を考えず、単に在庫及び債権から負債を差し引いただけの純流動資産(運転資本)から割り出される価格よりも(時価総額が)低価格である

・将来のことは分からないのだから、投資家は手元資金すべてをひとつの籠に突っ込んではいけない

・株式ポートフォリオに至っては、数年単位でみた場合、価格変動の波を免れることはほとんど不可能である
・株式投資を行うすべての者は、長年の間に手持ちの株の株価が変動することを覚悟しなければならない

・一株当り純資産に裏づけられた株式ポートフォリオを有する投資家は、収益と有形資産双方に対して何倍もの金額を支払った人よりも、株式相場の変動を気にせずに超然としていられる。

・歴史から見て取れるのは、アメリカの主要企業がほんの30年ほどの期間にどれほど大きな浮き沈みを経験し得るかということであり、また人々がどのような計算ミスを犯し、あるいは行き過ぎた楽観論や悲観論を抱くことによって、その株を評価してきたかということである。

・株式市場は謝った方向に大きく振れることがたびたびあり、機敏かつ度胸のある投資家は、その歴然たる誤りから時として利益を得られる

・市場価格というものは自分にとって身近で便利なもので、利用しても無視してもよいものだと常に念頭に置くべきである

以上、「賢明なる投資家」から一部引用・・・・・・・・・・・・・


私がこの本から学んだ事は、
「投資において最も重要なことは株価変動自体ではなく、その変動に対する自分自身の心構え」ということです。

株価変動に対し冷静に対処するためには、自分が理解できる企業・金融商品に投資を限定し、取得する価格も合理的だと思える価格(PBR1倍を割る価格)で取得することだと思います。

例えば、トヨタ自動車株を3500円で購入した投資家は、その後2700円まで株価が下落しても、「自分は世界トップの優良自動車会社に、純資産相応の価格(PBR1倍前後)で合理的に投資をしている」と自分に言い聞かせることができます。このように「自分の投資は間違っていない」という裏づけを自分の中に持っていると、多少の株価変動には一喜一憂しなくなります。

逆に、自分か理解できない企業に投資をすると、少し株価が下がると「自分の投資は間違っていたのではないか。買値が高すぎたのではないか」と不安になり、損失確定売りをしたくなります。

このように、自分が理解できる企業に、自分が納得できる価格で投資をすることが、長期に冷静な投資をする上で重要なポイントだと思います。


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